『キャメロット』好きすぎて語りすぎた
いつものごとくめっっっちゃめちゃ長くなった。笑
00. 導入
客電がついてる状態でオーケストラの音楽が鳴り始める。
Overtureのはじまりがディズニーっぽくて大好き。ときめく。
明るい「キャメロット」から「離れられない」へしっとりと移り変わる。
3回目の観劇時はこのOvertureがダイジェストのように思えてもう涙ぐんでしまった。
オーケストラの皆さんが奏でる音楽が全編通して素晴らしすぎて…本当に毎回感動する。
音楽が鳴る中、だんだん客電が落ちていって物語に入っていく感じ、好き。
01. アーサー
まず、坂本さん演じるアーサー。
王としてアーサーが成長していく様をわかりやすく見事に演じられていて、本当に素晴らしかった。
序盤はまだ王としての自覚がなく、幼さが残り、とても聡明とは言えない、マーリンに頼りっきりのアーサー。
そのアーサーがグィネヴィアと出逢い、誰よりも賢くて勇敢で素晴らしい王になりたいと志す。
そして数年後、人はなぜ戦うのか疑問に思い、地上には境界線なんてないのに見えない境界線を巡って戦いが起こるおかしさに気づく。
この時もまだマーリンを拠り所にしているが、戦いではなく法律と議論によって統制する円卓の騎士を考えついたのは、紛れもなくアーサー自身だ。
そして新しい考えに不安がよぎるアーサーに、「(その考えは)素晴らしい!」と後押しするグィネヴィア。アーサーにグィネヴィアがいてくれて本当に良かった。
王としての自覚や風格が身についてきてはいるが、まだ落ち着きがなく自信を持ちきれていないアーサー。
そして、ランスロットとの出逢い。
初見の時は、アーサーがなぜランスロットをあんなに信頼するまでになったのかよくわからなかったけど、2回目で気づいた。
アーサー自身が自信を持ち切れなかった革新的で文明的な円卓の騎士のアイディアを「素晴らしい」と絶賛し、他国フランスからわざわざ自分の力になるために来てくれたランスロット。
アーサーにとってどれだけ心強かったことか。そして自分と同じ目線で騎士道について議論しあえる相手がいることが、どれだけ嬉しかったことか。
ランスロットの力添えによって、アーサーは王としての自信を確固としたものにできたのだろう。
この人のために素晴らしい王になりたいと思わせてくれた、自分を心から信頼してくれる最愛の妻グィネヴィア。
そして、自分と同じ目線で同じ考えを共有できる唯一無二の誰よりも心強い味方、ランスロット。
この二人がいれば自分の理想とする世界を創れる、と思った矢先、その二人が愛し合っていることに気づいてしまうアーサー…本当に切なすぎて涙が出る…
初見の時は、二人の想いに気づいたのになんでランスロットを騎士に任命したんだろう?と思ったけど、アーサー自身が理由をはっきり言ってた。
アーサーは、一人の男として二人に裏切られた悲しみから復讐したいという気持ちを持ちつつ、その気持ちを抑えて理想の国を創る王になることを選んだのだ。
一幕終わりに、「私は、王であることを選ぶ」と言い切ったアーサーが切なすぎて毎回胸が締めつけられるし涙が出る……本当にかっこいいよアーサー……
この決断をしたことで、アーサーは本当の意味で素晴らしい王になったと思う。
この一幕終わりのシーン、6キロ(!)もある重厚な毛皮のマントを纏って苦悩と決意を口にするアーサーが本当にかっこよくて一番好きなアーサー。
そして二幕。
相変わらずグィネヴィアとランスロットの関係を見て見ぬふりして変わらず接するアーサーも、モルドレッドが自分の息子だと素直に認めるアーサーも、モーガンの罠にハマっちゃうアーサーも、グィネヴィアを処刑できないアーサーも、ランスロットにグィネヴィアを救えって言っちゃうアーサーも、自分の元に戻りたいと言う二人の願いを聞き入れなかったアーサーも、円卓の騎士になりたいと夢見るトムに会い勝利したと喜ぶアーサーも、全部全部アーサーらしくて好きだよ。
アーサーにここまで感情移入できるのは、やっぱり坂本さんの演技が素晴らしかったからに他ならない。
どこまでもやさしく懐の深いアーサーを演じきる坂本さんも、やはりどこまでもやさしく懐の深い方なんだろうなと思います。
アーサーが坂本さんで良かった。
ありがとうございます。
02. ランスロット
そして、照史くん演じるランスロット。
まず、第一声の歌声に震えた。
素晴らしすぎて感動した。
今まで聴いたことのない、ミュージカルの歌い方で低い声を出す照史くん。
なんでもできる人だし、10年以上見てきたし、もう初めてを見ることなんてそうそうないかと思ってた。
でも、まだまだ進化するんだ、桐山照史という人は。
思い返せば、照史くんは歌う舞台の度に歌声を進化させてきた人だった。
見くびっててごめんなさい。
これだから、桐山担はやめられない。
と初っ端から個人的な感情ばかり垂れ流してしまいすみません。
でも、歌声が素晴らしいというのはミュージカルにおいてとても重要なことだと思うので、ミュージカル好きの方に「もっとミュージカル出て!」と(Xで)言われるくらいの歌声に仕上げてきた自担を本当に誇らしく思います。
その照史くんの歌声がランスロットという人をとてもよく表現していて、本当に素晴らしいの。
まっすぐに伸びる歌声にはランスロットの純粋さが、重厚な歌声にはランスロットの自信が感じられる。
キリッとした立ち振る舞いにもランスロットの自信が見られて素晴らしい。
宮田さんに「ドヤ顔が過ぎる」とダメ出しされてたのはこの歌の所だろうな。笑
ランスロットの凄いところは、これを「ドヤァ」ではなく純粋に心から思っていることなんよね。それもよく表現されていると思う。
自信家、と言われるけど、一度も負けたことがないのも相当な努力をしてきたのも紛れもない事実で、ランスロットはその事実をありのまま受けとめてるだけなんよね。
照史くんが二枚目のランスロット役をやることに疑問を持った人もいるかもしれないけど、照史くんは立ち居振る舞いや表情で空気(雰囲気)を変えられる人。だからどんな役でもできるし、バラエティではバラエティの桐山照史、ライブではライブの桐山照史、舞台上では舞台の桐山照史になれる。それが照史くんの強みだと思う。
あ、また脱線しちゃった。笑
そういえばこの「セ・モア」の歌詞に「純粋さで奇跡さえも起こせる男 私だ」ってあって(ニュアンス)、のちのシーンでグィネヴィアが「奇跡さえも起こせるって騎士たちの前で堂々と言ったのよ!?」って言うんだけど、…え、まさかランスロット、みんなの前でセ・モア歌ったの…??だとしたらそれは嫌われるわwwって思った笑(冗談だけどランスロットならやりかねないなとも思うw)
ちなみに「セ・モア」の意味を調べたら「私だ」で笑ったw
仮面の男(アーサー)を殴りながら歌う力の籠った「セ・モア!」特にかっこいい…
早々に騎士に任命しようとするアーサーに「いけません!実力を見て判断していただきたいのです」って言うランスロット、どこまでも実直で好きだ〜。
その後の
ランスロット「さあ、何か使命をお与えください!」
アーサー「…え、今?」
ランスロット「今です。」
のやりとり好きw
あと、「敵はめったに休暇を取りませんから」も好きw
グィネヴィアに挨拶したランスロット、わかりやすく一目惚れしててかわいいw(演技力さすが)
そのあと空気読めず必死に自分アピールしちゃって空回って嫌われちゃってんのかわいいw
グィネヴィアに「謙虚さについて考えたことはある?」って言われて「(謙虚…?)」って頭にはてなマーク浮かんでるランスロットかわいいw(あれは謙虚の意味を考えてるんじゃなくて、なんで今謙虚さについて問われたのかがわかってないんだよねって友人に言われて、なるほどってなった)
初見ではランスロットにイラッとしたし、アーサーもグィネヴィアもなんでこんなヤツ好きになるんだろうって思ったけど、見るうちにランスロットが可愛く思えてきちゃって感想が全部かわいいになってる笑
ランスロットの強さは本当に純粋さと努力が源になっていると思うから。
去り際、「良い一日を」って言って去ろうとした時にグィネヴィアに「あなたもね」って言われて振り返った時、なんとも言えない顔をしてるんだけど、その理由について友人が「あの時に自分の恋心を自覚して、まずい…って思ってるんだよ」って言っててなるほどってなった(2回目)
恋心を自覚しちゃったランスロットがグィネヴィアと会わないように焦ってるのかわいいけど切ない……そして会ったら会ったでグィネヴィアからの当たり強いのかわいそう……不憫かわいい笑
にしても競技会の夜、急に「ジェニー(グィネヴィアの愛称)」呼びしたのは「はぁ?!」ってなる笑
まぁでも、愛おしさが募りすぎて溢れちゃったんだよね……ライオネルを生き返らせた後に見つめ合った時、気持ち通じ合っちゃったもんね……
だとしても、ランスロットは対戦した三人が三人共グィネヴィアからのスカーフを身につけてたことはなんとも思わなかったのか……?もしや気づいてなかった……??(有り得そう)まぁいいや笑
二幕のはじまりがランスとジェニーの二人のシーンでランスロットソロの「マドリガル〜離れられない」。
ここのじゃれあい、お互い両想いなのはわかってるけど付き合ってない、付き合う前の一番楽しいやつよね、わかる〜笑
この曲中、ジェニーにかわされてフッと笑うランスロット。この時が唯一心から自然にこぼれたランスロットの笑顔。いつもキリッとしてるのに、愛する人の前ではそんなに柔らかく笑うのね…ってドキッとする。
カーテンコールでも(基本)笑ってくれないランスロット。ランスロットの笑顔はジェニーだけのものなんだね…
そしてついにジェニーの寝室に忍び込んじゃうランスロット。もうそれはアウト。笑
欲望に負けまくって「一緒に逃げよう」とまで言うランスロット。だけどグィネヴィアに諭されて「すまない。もう二度と言わないと誓う。ここにも来ない。誓うよ。」と言って去ろうとするランスロット。
だけどジェニーの「私たち、もうやさしい言葉を交わすこともないの…?」という悲痛な叫びに足が止まる。
この時、天を仰いで耐えるランスロットが切なくて……泣ける……
でも耐えられなくてジェニーを抱きしめるランスロット。あんなに強く、お互いの心が一つになって抱き合えたのは、きっとあれが最初で最後。
あの抱擁で二人の関係も終わるはずだったのに……運命は残酷だね……
戦意ないフリして近づいてモルドレッドの剣を奪うランスロットも、剣を交えながらジェニーに「必ず助ける!」って言って柵を飛び越えて行くランスロットも、かっこよすぎ……惚れる……
処刑の日にジェニーを助けに来たランスロット。
甲冑着て戦うランスロットかっこよ……ちゃんとジェニー助けて有言実行かっこよ……
その後アーサーに二人で戻りたいって言いに行って、「もう本当にできることはないんですか…!?」って……マジどの口がって感じだけど、ランスロット、ジェニーの前ではいろいろ言ってても、アーサーの前ではアーサーへの忠誠を違えたことは一度もなかったんだよね。
ランスロットが最後までアーサーに、心は共に、って姿勢を貫いたのは、アーサーにとってもランスロットにとっても救いだったんだろうと思う。
そしてあの時がきっと、愛するジェニーとの最後の別れ。
目が合って、一瞬止まった後、顔を伏せて走り去るランスロット……切ない……
新たな照史くんを魅せてくれたランスロット。
素晴らしかったです。
桐山照史にランスロット役をオファーしてくださってありがとうございました。
03. グィネヴィア(ジェニー)
もう、ね、かわいい…!!
本当に可愛い。眼福。ありがとうございます。
今回の舞台、すべての衣装が凝っていて素晴らしいんだけど、やっぱりグィネヴィアの衣装が特にすべて素晴らしく美しくて…!!
登場時に被ってる赤い布ですら総刺繍で美しくて双眼鏡で見て気づいた時驚いた。
そしてその素晴らしい衣装を着こなし、衣装を纏って更に輝いているふうかさんが本当に素晴らしく可愛い……ありがとうございます……
そりゃあアーサーもランスロットも一目惚れするわ。納得。なんなら会場中全員一目惚れしてるから。うん(?)
気を取り直して。
二度目の観劇で気づいた衝撃の事実。
グィネヴィアが登場時に歌う「乙女の喜び」。
セントジュヌヴィエーヴ様に祈りを捧げながら乙女の喜び(願望)を歌ってるんだけど、「二人の騎士に愛され奪われて争いの火種になりたい(ニュアンス)」って歌詞があるの……セントジュヌヴィエーヴ様、グィネヴィアの願望叶えてくれちゃったのね……
まじで気づいた時衝撃すぎて息止まった……
幼いグィネヴィアにとっては「ほんの些細な」願望だったかもしれないけど、まさかあんな結末になるとは思ってなかったよね……
それにしても、自分は美しいと自覚してるグィネヴィアおもろかわいい笑
のちのち自信満々なランスロットのこと気に食わないって散々言うけど、グィネヴィアも相当だし、似た者同士よね笑
パンフレットのふうかさんのコメント読んでなるほどと思ったんだけど、初めて城を出てひとりぼっちになって心細いグィネヴィアの心をやさしく包み込んでくれたアーサーを好きになったのは、父親に対する愛情に近いものだったのかもしれない。(あと、不安でドキドキしていたから吊り橋効果的なのもあったかもしれない)
(グィネヴィアが「♪世界で一番幸せに暮らせる場所〜ねっ♪」ってアーサーに「でしょ?」って念押しするように歌う「ねっ♪」がめっちゃ可愛くて好き)
グィネヴィアにとってアーサーは、誰よりも信頼できる人で裏切りたくない人。
それはたしかに愛ではあったと思うけど、恋愛というより家族愛だったんじゃないかと思う。
だから、ランスロットに惹かれてしまったのよね。
競技会前、三人へのスカーフを撤回しないジェニーに対して、(ジェニーがいなくなった後)アーサーが「最近おかしいぞ!」って言うの、よくわからなかったんだけど、友人が「誰か特定の人を意識してること自体が初めてのことだったんじゃないか」って言っててなるほど…ってなった(3回目)
好きになってハマると抜け出せないのを本能が悟って無意識に拒否反応起こすの、わかる。人間は変化を恐れるから自分が変化しそうになると本能的に拒否するのよね。だから反射的に「嫌い!」になる。けど、キッカケがあればその「嫌い」は一気に「好き」に変わる。
ジェニーは無意識だけど、アーサーは感じ取ってたんだね…
あ、ランスロットと出逢った時、アーサーと話したいのに邪魔してくる空気読めないランスロットにもちゃんと返答してあげるグィネヴィア好き。
あの様子を見て、グィネヴィア王妃はどんな人にもちゃんと対応するからみんなに愛されてるんだろうなと思った。
あと、アーサーに「一緒にいられるの?」って聞くジェニー可愛すぎ。
「離れられない」の時、楽しそうにランスロットの周りを舞うジェニー。ヒラヒラと舞う蝶のよう。
二人きりだし、ハグやキスするのかと思いきや、ランスロットをからかうように手をチョンと触れるだけで、決して触れ合わず一定の距離を保つジェニー。
愛するランスロットと一緒にいる時間は楽しいけれど、大切なアーサーを裏切りたくはないというグィネヴィアの気持ちが伝わってくる。けなげだ……
「普通の人々がやること」で、気持ちが沈んだ時に普通の人々は何をするの?と何度もアーサーに聞くジェニーと、困りながらもなんとか答えを探して返答し明るく振る舞うアーサーは、それこそ夫婦というよりも父娘のよう。
アーサーには無邪気に甘えられるジェニーと、そんなジェニーがいるから頑張れるアーサー、二人の関係がよくあらわれてる。
ダンスのシーン、アーサーは慣れてるけどジェニーが慣れてなさそうなのは、ジェニーが社交の場に出ることなくアーサーと結婚したからなのかな…
結局何をしても気分が晴れなかった二人…王と王妃はずっとその重圧に耐えていかなければいけないのね…
ランスロットが寝室に来た時、それまでは毎日ランスロットがここにいることを想像していたのに、いざ現実になると喜びよりも怖さが上回ってしまったグィネヴィア。もう元に戻ることはできないから。罪であることをわかっているから。アーサーがいるから。
自分からランスロットを突き放したのに、引き止めてしまったジェニー。
あそこでジェニーが引き止めなければ…と思ってしまうけど、無理だよね……私がジェニーでも、きっと同じことをした。
最初で最後の、熱い抱擁。
そして、悲劇が…
「(もしアーサーが気づいていたら)死んでしまいたい」
「牢獄の扉を開けた」
と言っていたグィネヴィアは、死を覚悟していたかもしれない。
だけど、アーサーにグィネヴィアは殺せなかった。
ランスロットに助けられ、二人でアーサーの元に戻りたいというジェニー。
「そのやさしい瞳が何かを許すのをたくさん見てきた」ジェニーは、アーサーなら許してくれると思ったんだね。
アーサーは、ジェニーの願いを聞き入れはしなかったけど、ジェニーを許した。
ジェニー「見たかったもの(アーサーのやさしい瞳)が見えるわ」
アーサー「さよなら、愛しい人…」
二人の最後の会話。
ジェニー、ランスロットには「愛してる」って言うのに、アーサーには最後まで「愛してる」って言わないのね……やっぱり、愛の形が違ったんだな……
ジェニーはきっと、無意識なんだろうけど。
ふうかさんの可憐で美しいグィネヴィアがいたから、この物語は成立したと思います。
どうしても憎めない、無邪気でけなげでかわいい人。
素敵にグィネヴィアを演じてくださって、ありがとうございます。
04. 終わりに〜人間は愚かだからこそ愛おしい
東京千穐楽のカーテンコールで、坂本さんが仰った。
『キャメロット』は、「人間の愚かさや素晴らしさを描いた作品」だと。
この時私は、「愚かさ?」と疑問に思ってしまった。
私にとっては、アーサーもランスロットもグィネヴィアも、愚かな人ではなく、尊敬できる愛おしい人だったから。
私が『キャメロット』を好きなのは、アーサーもランスロットもグィネヴィアも、何も考えず恋愛に走って何もかもをめちゃくちゃにするような人たちではなかったから。
結果的にはそうなってしまったけど…でも、立派な王だったのに嫉妬に燃えて国を破壊したり、あんなに忠誠を誓ってた王を簡単に裏切って妃を連れ去ったり、あんなに信頼してた王を簡単に裏切って不倫したりするような、よくある話じゃなかった。
欲望に走らず、みんな理性的だった。
だから好きだし、尊敬できる素晴らしい人たちだと思った。
だけど、よく考えたら事の発端はグィネヴィアが「二人の騎士に愛され奪われて争いの火種になりたい」と祈ってしまったことかもしれないし、ランスロットがグィネヴィアへの愛を口にしてしまったことかもしれないし、アーサーと魔女との間にモルドレッドが誕生したことかもしれない。
そして悲劇になってしまったのは、ランスロットがグィネヴィアの寝室を訪れてしまったからかもしれないし、グィネヴィアがランスロットを呼び止めたからかもしれないし、モーガンがスイーツの欲望に負けたからかもしれない。
結局、人間は欲に勝てない。
そんな人間は愚かかもしれない。
だけど、簡単に欲に溺れず、ギリギリまで欲に抗って理想を追い求めた彼らを、私は尊敬する。
完璧な人間なんていないし、人間に欲は付きものだから、一時の誤りはむしろ人間らしいなと愛おしく思ってしまう。
だから私は、彼らを「愚か」とは思えなかった。
人が必死に生きる様を見るのが好きだ。
だから、舞台が好きだ。
そう改めて思わせてくれた、『キャメロット』。
また素敵な作品に出逢えて、幸せです。
この三人以外の登場人物や好きなシーンや舞台セットや照明についてももっと書きたいし考察したいんだけど、それには観劇回数が少ないので、また書けたら書きます。
11/20の大千穐楽まで、無事に走りきれますように。
あ〜〜、キャメロットに住みたい!!